中国東北旅行7 中国人は京都を知らない

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ウラジオストク→牡丹江→大連)

 朝早起きして、ホテルのおじさんが呼んでくれたタクシーに乗り(おじさんが、「タクシー呼んだるわ」とGoogle翻訳で言ってくれた。めちゃ親切)、ウラジオストクバスターミナルまで行く。

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 Antilopa Hostel はとてもいいゲストハウスだった。またウラジオストクに行く機会があれば是非泊まりたい。

www.tripadvisor.jp

 タクシーは220ルーブルだった。おそらくこれが相場なのだろう。ウラジオストクへの行きは2倍も取られてしまった。

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ウラジオストク郊外のバスターミナル)

 中ロ国境の街ポグラニチニまでバスに乗ると、韓国人カップルと出会った。男の方は流暢な日本語と中国語を話す。女の方は少しだけ中国語ができるようだ。中ロ国境を越えて、またウラジオストクに戻るという。「韓国のゴールデンウィークは5月1日のメーデーから5日までなので、もっと旅行していたいけど帰らなければいけないです」と悲しんでいた。「日本のゴールデンウィークは4月29日の昭和天皇の誕生日からですね。でもメーデーは祝日じゃないです」と言うと、「昭和天皇の誕生日が祝日ですか!」と驚いてカップルで盛り上がっていた。

 中国側のまち绥芬河行きのバスに乗る。バスには途中から、ロシアの大麦か何かを中国に運ぶ仕事をしている男たちが乗り込んでくる。ケーキの材料になると言っている。ケーキのような可愛らしいものを作るために働いているとは思えないほど粗暴な連中である。ロシアの国境を越える時はなぜか僕ら日本人と韓国人に荷物を持たせようとしてきた。怪しいのでもちろん持たない。

 韓国人カップルの女の方は彼らの粗暴さに怖がっていた。僕も内心少し怖い。中国人と比べると、日本人と韓国人はずっと性質が近いような気がする。

 绥芬河からバスに乗り、牡丹江へ。牡丹江では金鼎国際大酒店(「酒店」は中国語でホテルの意味)に泊まったが、ここがとても良かった。スタンダードルームが220元なのだが、もっと安い部屋はないか聞いたところ、130元で泊まることができた。中国のホテルでは「安い部屋ありますか?」と聞いてみると、非公式の安い部屋が出てくることがたまにある。

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(今回の旅行で一番高級感があり一番安かった金鼎国際大酒店)

 

 地球の歩き方によると、牡丹江の街は日本によって基礎が作られたようだ。長春もそうだが、日本によって作られた街は道路が広くスッキリした印象を受ける。

 翌朝、牡丹江から大連行きの汽車に乗る。

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 もともと大連は行くつもりがなかったのだが、案外スムーズに旅程が進んだので余裕ができた。硬卧が売り切れていたので软卧に乗る。

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(軟臥。右が僕のベッド。牡丹江ーハルビンは向かいのベッドにおっちゃんがいた)

 

 昼ごはんは車内販売の弁当を食べた。20元。

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 食堂車は高い(60元くらい)のでやめる。

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 ハルビンからは、金州(遼東半島の町)で保育士をしている27歳のおねえさんと、煙台(山東半島の町)でタクシーの運転手をしているおばちゃんと同じ部屋になる。タクシーの運転手とは中国を旅行するとよく話すことになるが、タクシー以外の場所で話すのはこれが初めてだ。煙台へは大連から船に乗るという。大連港からは今も煙台、威海、青島、天津、仁川(インチョン)などに船が出ている。

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 「大学はどこなん?」と聞かれ、「京都大学」と答えると、「東京にあるん?」と聞かれる。「京都大学在京都! 你们不知道京都吗?(京都大学は京都にあるの! 京都知らないの?)」と聞くと、「知らん」とのこと。「为什么不知道! 京都是日本的首都从794年到1868年!(なぜ知らない! 京都は794年から1868年まで日本の首都だったのに!)と言っても、「へえ、日本の首都ってずっと東京だと思ってた」となんともあっさりした反応である。「大阪に住んでいるのだけど、大阪は知ってる?」と聞くと、知っているとのことだった。それにしても、京都を知らないなんてちょっと日本に興味がなさすぎるのではないだろうか。だが大学の中国語の先生も、「中国人は結構、京都を知らないですね。『京都大学』と言うと、『東京にあるの?』って聞かれます」と言っていた(「京」は「みやこ=首都」の意味だから)。

 関西生まれ関西育ちとして、日本の首都であり続けた京都にはプライドを持っているので、実際に「京都? 知らんわ」と言われるとかなりショックである。関西人アイデンティティと日本人アイデンティティが同時に傷ついた気がする。中国の古都と言えば西安(旧長安)や南京であるが、中国人も、日本人に「セイアン? 昔はチョウアン? 知らんなあ」とか「ナンキン知ってるよ。南瓜は厚揚げと一緒に煮込むと美味いよなあ」とか言われると結構悲しいと思うし、西安や南京の人がそれを言われるとかなり凹むのではないだろうか。

 だが、中国人以外に「キョート? 知らないなあ」と言われても、そんなに傷つかないかもしれない。日本の学校では中国の歴史を詳しく学ぶが、日本で中国史が重視されているのだから、当然日本と付き合いが長い中国でも、日本の歴史は学ばれているものと思いたいという、無邪気な(勝手な)信頼感を持っていたのだが、現実はそうでもないかもしれない。

 保育士さんに「微信やってる?」と聞かれる。微信とは中国版LINEのようなものだ。アドレスを交換し合う。微信をしているか聞かれるのはこの旅行で三度目だ。日本人同士が「てかLINEやってる?」に至るにはもう少し距離感が縮まってからのような気がするが、中国の人は結構気軽にアドレスを交換し合うのだろうか。