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中国東北旅行9 中国人は席を譲る

5/6〜7

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(大連→瀋陽長春

 翌日は大連博物館に行く。近現代の大連・旅順のことが当時の文物とともに解説されていて面白い。地球の歩き方にも書かれているが、歴史に対して非常に客観的である。中国の資料館は時々、日本帝国=悪という文脈でしか語っていないところがあるが、ここは淡々と事実を述べている風で安心して見ることができる。

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(北洋艦隊の旗。龍(清)が太陽(日本)を呑み込もうとしている。北洋艦隊が日本海軍を仮想敵としていたことがわかる。)

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(鉄道の行先表示。新京行き)

 昼ごはんに駅チカをさまよっていると、地下3階に食事街を見つける。地下3階というのがすごい。勘だけど、中国は寒くなる都市は地下街が発達する傾向にあるような気がする。ウルムチが都市規模のわりに地下街が大きかったのを憶えている。

 昼ごはんは、そろそろ中華がキツくなってきたので、韓国料理を食べた。

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 大連を離れる。大連駅は日本時代のものを使っている。

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 この旅初めての高速鉄道に乗り、瀋陽へ。高速鉄道は最高時速300kmで東北の平野を駆け抜ける。大連ー瀋陽400kmがたった2時間である。

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(CHR3型電車。ドイツシーメンス社の技術を基に中国で製造されている)

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(内装は日本の新幹線とよく似ている)

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 瀋陽は入関する(山海関を越えて中国本土=漢族地域を支配すること)まで清の都だったところだ。清の前身となる後金は1616年に女真族ヌルハチによって建国された。後金というのは後世の人びとが付けた名で、当時の女真族はその国を「金」と呼んでいた。金という国は、12世紀に今の東北から華北を支配した国である。女真族が建国したこの国は、漢族の宋と対立していたが、常に軍事的優勢を保っていた。ヌルハチはその金を3世紀ぶりに復興させたつもりであったのだろう。だが、第二代皇帝のホンタイジは国号を清に変更し、また都を盛京(今の瀋陽)に移す。ホンタイジの清は内モンゴルのハルハ族を征服する。3代皇帝順治帝の時代には北京入城を果たし、都を北京に定める。都が北京に移った後も、盛京は清帝国第二の都であり、しばしば清の皇帝は盛京で政務を行った。その盛京の都跡は、「瀋陽故宮」として世界遺産にも登録されている。

 瀋陽故宮そばのホテルに泊まるために、瀋陽駅から地下鉄に乗る。中国の地下鉄やバスに乗っていて気づくのは、皆が積極的にご老人に席を譲ることだ。例え3mくらい離れていても、大声を出して「ここ空いてるから座り!」と言う。

 だいたいこういう会話がされている。

 電車におじいさんが乗ってくると、座っていた男がさっと立ちあがり、「おっちゃん! 座って!」と声をかける。おじいさんは「ええって! 3駅しか乗らへんさかい!」と断るが、男は「俺もすぐ降りんねん! ええから座り!」と勧める。「すんませんなー。ほな座らせてもらいますわ。ありがとう。」とおじいさんは座る。

 面白いのが、譲られる側が一度必ず断ることだ。そして譲ってもらったら、すごく感謝している風に、「谢谢!」と何度か言う。

 日本では、おばあさんが何人かで電車に乗る時に、「あんた座り!」「うちはさっき座ったやん。あんた座り!」と席を譲り合う会話をしているが、中国ではそれが、老人と若者、しかも他人同士という大きなスケールで行われている。

 日本にいると、席を譲ろうと思っても、「この人は席を譲られたら年寄り扱いされたと思って嫌ちゃうかな…」とためらってしまうが、中国では、年寄りは席を譲られるものだという社会合意があるため、そういうことは考えずに素直に譲ることができそうだ。

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瀋陽故宮地図)

 瀋陽故宮のそばの「錦江之星」という全国チェーンのホテルに泊まる。朝食込みで220元。本当は瀋陽駅の近くにある旧ヤマトホテル(400元)に泊まりたかったのだが、「カフェ&クラブ大和」での出費が痛かったので諦めることとする。

 日本では「東横イン」「アパホテル」などが全国各地に見られるが、中国でも、「錦江之星」「如家酒店」「7daysInn」などのビジネスホテルが全国展開している。必要十分な設備が整っている上に、200元前後と経済的である。何より重要なことに、ほぼ必ずWi-Fiがある。僕はこれらビジネスホテルに泊まるのは結構好きである。

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(単純明快な部屋)

 

 夕食は、昼ごはんに引き続き韓国料理。石焼ビビンバにした。

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 中華はつらくなってきた。韓国料理おいしい。

 

 翌朝は瀋陽故宮を見て回る。入場料が60元もするが、学生は30元。日本の学生証を見せて、「日本の学生証も当然使えるよね」という顔をして「学生票(シエションピャオ)」と言うと、学生票が買えた。

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 瀋陽故宮は広くて、展示もしっかりしていて面白かった。結局2時間半も故宮にいた。

 

 高速鉄道長春へ。

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 座席の前にある旅行雑誌に、京都が紹介されていた。もっと有名になってほしい。

 

 この日は天気が悪く、しかも寒い。少し風邪気味になってしまう。ホテルに着いて休む。外に出たくないなー、中華は胃に来るんだよなーと思いながらホテルのそばを歩くと、日本料理店を見つけた。78元ほどしたが、弱っている身体には日本料理はありがたい。

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長春で食べた日本料理。うまかった。食べかけですみません)